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「宇宙の誕生と終焉」 広瀬喜久治・大阪大学名誉教授 2018-10

  府立高津高校同期の大阪大学名誉教授・広瀬喜久治さんに講演をお願いした。「宇宙の誕生と終焉という表題で、教授にとっては、30分という短い時間でまとめていただいた。
 私の研究専門分野は、実は宇宙よりも原子や素粒子の方で、大阪大学大学院工学研究科では「物性や化学反応を調べるコンピューター・シュミレーション」講座の教授をやっておりました。

 大阪大学工学部を卒業した後、大学院では大阪大学大学院理学研究科で素粒子論を専攻して、博士号は物理学で理学博士をいただきました。
 現在の素粒子論は宇宙論と強い繋がりがございます。そういう事情で、私は宇宙論にも強い関心を持ち続けております。

 宇宙の専門家でもない私が皆様に宇宙の話をする理由は、宇宙に関わる事象の凄さについて、私自身が素人目線でわかりやすく話すことが出来るからだと思っております

 

講演「宇宙の誕生と終焉」

 宇宙は古くから私たち人類の知的好奇心を刺激する対象でした。なかずく、「宇宙には始まりがあったのか?始まりがあったとすると、誕生したばかりの宇宙はどのような有様だったのか?はたまた、宇宙は永遠に今の状態のままなのか?それとも、宇宙には終わりがあるのか?」これら宇宙の誕生と終焉に対する素朴な疑問は、人類にとって最大の謎の一つです。さらに「宇宙の果てはどうなっているのだろうか?」これも大きな謎です。現在、これらの謎が観察や実験に基づいて客観的に検証する現代の科学的アプローチ(天体観測による高精度データの収集とデータを論理的に解釈する人間の知恵)によって解明されつつあります。

 宇宙の誕生と終焉等に関するこれらの壮大なテーマについて、30分という限られた時間の中で、枝葉を省いて重要な幹となる要の部分をざっくりと解説致しました。皆さんは非日常の度肝を抜く不思議な世界に足を踏み入れたことでしょう。そして、人間のこのちっぽけな脳で、あの巨大な宇宙の全貌を知ることが出来るというのはなんと凄いことであろう、と実感されたことでしょう。誕生から終焉という宇宙の一生に思いを致すとき、将に驚きと感動が溢れます。

  先ず、現代の宇宙観に革命をもたらした宇宙膨張の発見から話を始めました。1929年にアメリカの天文学者のハッブルが、「我々が住む銀河の外にも多数の銀河(銀河:平均一千億個の恒星の大集団)が存在することや、それらすべての銀河が我々の銀河から距離に比例した速さで遠ざかっている。すなわち、この宇宙はつねに膨張している」という事実を地道な観測によって発見しました。現在ではこの事実をハッブルの法則とよんでいます。それまで宇宙は永遠に不変なものと思われていたために、ハッブルの法則によって従来の宇宙観はくつがえされました。
 

 現在の宇宙が膨張し続けているということは、逆に時間をさかのぼれば収縮していくことになります。そうすると、過去のある時点で宇宙のすべての物質が1ヶ所に凝縮しており、宇宙の初期は凝縮物質の混沌とした状態(カオス状態)だったと考えられます。超高温・超高密度の灼熱の宇宙が大爆発を起こして宇宙の膨張が始まったとする宇宙誕生のシナリオをガモフが提示しました(1949年代)。この宇宙開闢(びゃく)の大爆発をビッグバンBig Bang)とよびます。我々の銀河から遠ざかる他の銀河の速さの実測値を用いて計算すると、宇宙は約138億年前に誕生したと算出されます。すなわち現在の宇宙の年齢は138億歳ほどです。46億歳の地球の約3倍と考えると、意外と年を取っていないようにも思えます。

光が天体から発せられて地球に届くには、時間がかかります。遠くの天体からやってくる光はずっと以前に発せられた光であり、その光を観測すれば、宇宙の昔の姿を知ることが出来ます。例えば、遠方の銀河を調べることで、銀河が形成されていく過程などが分かります。約138億光年離れた天体を観測すれば、

ビッグバン直後に発せられた光が今ようやく地球に届いたのですから、ビッグバンの直後の有様をライブで観察出来るということになります。まるで、ビッグバンの現場に居合わせたかの如く!
 

宇宙は今後いつまでも膨張し続けるのでしょうか。それとも、やがて、収縮に転じるのでしょうか。これは宇宙に存在する物質の総量によって決まります。宇宙に存在する物質が多ければ、物質間に働く重力である引力によって互いに物質は引き合って、その結果、宇宙は膨張をやめ収縮に向かい、ついには初めのビッグバンに似た全物質が1ヶ所に凝縮した特異的な状態に戻ります。これは予測される宇宙の終焉の一形態です。この特異的状態をビッグクランチ(Big Crunch, crunchは圧縮により発生する潰れるときの音の意味)とよびます。なお、ビッグバンによって始まりビッグクランチによって終わる振動の過程を永遠に繰り返すような宇宙(振動宇宙論)を考える科学者もいます。
 

前述のように1929年に発見されたハッブルの法則はこの宇宙が膨張していることを示しています。真上に投げ上げたボールが徐々に減速するのと同様に、

宇宙の膨張もやがて減速に転じてビッグクランチに至る、というのが物理学の常識でした。ところが、この常識に反する観測結果が1998年に発表されました。   
 パールマッター、シュミット、リースの3人が発見した「宇宙の加速膨張」とよばれる観測事実で、宇宙が正体不明の力によって加速しながら膨張を続けていることを意味します。まるで、投げ上げたボールがぐんぐんと上へ加速していくような奇妙な現象です。この大発見に世界中の科学者たちは皆驚きました。発見した3人は2011年のノーベル物理学賞を受賞しました。加速膨張の原動力は暗黒エネルギーdark energy)とよばれ、2018年現在でも正体が不明です宇宙のすべての物質が暗黒エネルギーによって粉々に引き裂かれた壮絶な静寂な未来こそ、宇宙の終焉として最もあり得る姿だと現在予想されています。
                              

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         講演中の広瀬名誉教授
    講演を終えて
 我々庶民は、急勾配の右肩が上りの景気が急激に大暴落した時、「ビッグバーン」大爆発したという言葉を初めて耳にしたことを思い出した。
毎日、悩む我々は、この講演を聴いて、なんと小さなことに悩んでいるのだろうかと感じたのは、私だけであろうか?                                          2018-10-1                                               YYOSHIHARA
PS
今も、府立高津高校の同期会「高津サロン」が毎月開かれている。発足時(15年前に同期の宮原秀夫さんが阪大総長に就任祝いの席で発足)は、大阪大学中之島センターで開催されていたが、現在は、丸ビルで開催されている。講演に始まり会食をする例会、ゴルフ、旅行、見学会と多彩な内容である。広瀬さんは、皆勤であるが、私は、3月に一度くらいの参加である。

大阪大学名誉教授(理学博士)広瀬喜久治略歴
1967年3月(昭和42年)大阪大学工学部精密工学科卒
1971年3月大阪大学大学院理学研究科物理学修士課程修了
1974年3月理学研究科博士課程単位修得
1982年4月大阪国際大学教授
1989年4月  “   学長補佐
1995年4月(平成7年)大阪大学大学院工学研究科 精密科学・応用物理学教授
2007年4月大阪大学名誉教授   
                  
工学研究科特任教授(2017年3月末日に至る)

 9142 20189141 
 2018年の火星と地球の距離   2018年の火星の動き
      
(大阪市立科学館展示資料より-2018-9-13

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今月のひとこと「人生は まさに 出会い・・・」
   

人生は まさに 出会い 縁 そして 感謝」
      
Photo_5 2_3 

MR.S.Shakya宅(ネパールの釈迦族の子孫)の金屏風
                  2017-11撮影

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