「関西発の医療イノベーションー最先端研究から創薬へ」2016-2
国際ロータリー第2660地区大会において、特別シンポジュウム“究極の職業奉仕”「関西発の医療イノベーションー最先端研究から創薬へ」が、昨年暮れ大阪国際会議場において開催された。
基調講演1-「免疫難病治療―大坂から世界へ」
岸本忠三・大阪大学名誉教授、元大阪大学総長
基調講演2ー「がんは治る;がん免疫治療薬PD-1抗体」
本庶 佑(ほんじょ たすく)・京都大学名誉教授
司会は、宮原秀夫(情報通信工学)・大阪大学名誉教授、元大阪大学総長、アジア太平洋研究所所長、前情報通信研究機構理事長と本田孔士(眼科医)・京都大学名誉教授、大阪赤十字病院名誉医院長のお二人で、ビッグな講演者と司会者での1時間30分のシンポジュウムであった。
( 当日配布されたパンフレットより )
基調講演1-「免疫難病治療―大坂から世界へ」
岸本教授は、体内の生理活性物質「インターロイキーンー6(IL-6)」発見し、自己免疫失患、多発性骨髄腫や病態にこの物質が関与していることを明らかにしました。さらにIL-6の抗体をこれらの疾患の治療に応用し、リュウマチを始め多くの難病に苦しむ世界中の人々を助けるようになりました。
基調講演2ー「がんは治る;がん免疫治療薬PD-1抗体」
本庶教授は人の免疫を抑えている体内物質「PD-1」を発見し、それを抑制する「PD-1」抗体癌治療薬として開発し、皮膚癌や肺癌に有効であることを証明しました。現在すでに多くの皮膚癌患者に使われ、既存の抗がん薬に勝る実績が得られています。
いよいよ、宮原教授の司会により、岸本教授「免疫難病治療―大坂から世界へ」の講演が始まった。多くの画像を駆逐され、学会資料と思われる英文のデーターなどの映像も交えて語られた。海外でリュウマチに悩む人々への治療に携わった時の写真等を交え、大阪人らしいざっくばらんな?話ぶりであった。
途上国の人々に「人を育てる。」「物を残す。」「ノーベル賞は、1行であるが・・・。」
続いて本田教授の司会により、本庶教授「がんは治る;がん免疫治療薬PD-1抗体」の講演が始まり、メモをとれるくらいのスピードで素人にもわかりやすく語られた。
(ノーベル賞に最も近いお一人と、司会者から紹介があった。)
癌と宣告されたら、外科手術→放射線治療→投薬の流れが一般的である。 以前、免疫細胞療法の丸山ワクチンがあった。
免疫力の違いによる病気と治療について 1-癌抗原療法 2-免疫細胞活性化療法 3-インターフェロン等の免疫活性化療法 4-ブレーキ抑制法(自動車の運転・ブレーキとアクセル併用の例で説明) 「PD-1」は、自己免疫に寛容(ブレーキ役)を担う分子で、巷の免疫療法(抑え込む)と違う。
なぜ免疫療法チェックポイント治療は長く効くのか。 従来は特定のターゲットであったが、「PD1」は、無限である。
今後の課題は、 *副作用問題 *医療費の問題―2,3週間治療で3~6ヶ月 効力判断 *官民で育てる基金が大学に必要
最後に、お二人とも基礎研究には、開発に何十年もかかるため、今日の企業家の皆さまには、もどかしさを感じられるであろうが、これが基礎研究であると説かれた。 又、文科省の予算節減策でなおさら厳しい状況にあるので、経済界の皆様にご協力願いたいとも語られた。
「すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる」と岸本教授。
「大学には自前の金がない、アメリカでは、フアンドを持っている。」
「今日お集まりの皆さんのご寄附、相続対策で困っておられる皆さんにご協力願いたい。」と締めくくられ、会場の皆さんの笑いをさそった。
始めは、難しい話と思って聞いていたが、大変内容のあるわかりやすい感動のシンポジュ-ムであった。
癌で悩んでいる当社役員のY君(大学同級生)に、この内容を伝えようと思い、年末の26日自宅に見舞った
講演会の「PD1」の話をすると、実は彼も現在この投薬をしているとのことであった。 正常な方の数値は、数十単位であるが、診察行く毎に上り、現在は60万迄急増しているとのことであった。本来ならば、すでに入院の数値であるが、寝ていればそんなに苦痛でないので自宅療養し、担当医の方も不思議だと言われているとのことである。 しかし、現在は保険が聞かないので治療費が大変であるが、日本でも近々肺がんなどに承認がされそうであると伝えた。(2015年 アメリカ メラトス 肺癌療法承認)
40数年前「腎臓の透析」に、数千万円(年間)かかった。しかし、母親が透析する頃には難病に指定され保険適用になったことを思いだし、この「PD1」も、癌患者に保険適用になるのは時間の問題ではないだろうかと話した。
2016-2-1 Y.YOSHIHARA
2015-2-9 お見舞いにいったその夜、Y君が逝去。社員一同で御通夜に寄せていただくと、奥さんから「1月から入社の社長さんの息子さんと一緒に、仕事ができると申していましたのに・・・。」と涙ぐみながら語られた。私も、大学の同窓でもある彼に、もう数年一緒に頑張ってほしかったこと、その間に若き経営者の卵を色々指導してもらおうと思っていたが大変残念である・・・。42歳から20年間の市会議員生活で議長も経験、12日の葬儀では、党派を違わず多くの議員さんからの弔電が披露された。私の息子の大学の数年先輩でもある息子さんが、阪大医学部卒のこともあり、阪大医局の供花も目を引いた。安らかにお休み下さい。 2016-2-12
前年の地区大会は櫻井よしこ氏、前々年は京大iPS細胞研究所所長・山中伸弥教授の予定であったが、ノーベル賞受賞の為に副所長・戸井田淳也教授に急遽変更された。
今回の地区大会の講演会のブログ掲載は、3回目になる。
以前、司会の宮原名誉教授から昨年の岸本名誉教授は気さくな方と高校の同窓会で聞いていたように、今回その雰囲気を直接感じることができた。
* 当日、聴きながらあわててメモをしたので、もしご指摘いただくヶ所があればご容赦願います。
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今月のひとこと「夢なき者 理想なし ・・・」
夢なき者 理想なし 理想なき者 目標なし
目標なき者 実行なし 実行なき者 成果なし
成果なき者 喜びなし 喜びなき者 ここを去れ
詠み人不知
谷口英樹・横浜大学大学院教授の研究室のドアーに掲げられている。世界で初めてiPS細胞を用いてヒトの肝臓機能をもった「立体的な構造」を持つ「ミニ肝臓」を大量生産できる唯一のヒトの臓器製造システム・・・・。
「ミニ肝臓」は、臓器不足の移植に代わる新たな・・・.
今は、モルモットの段階であるが、癌におかされた肝臓に“ミニ肝臓”を血管内治療により送り込むことにより90%の成功例を挙げているそうである。
今後、人の治験を始めるそうである。
(TBS「夢の扉+」1月24日放送より)
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