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「医療の進歩とそれを取り巻く環境」2013-1

  山中伸弥教授は、ノーベル賞受賞後の会見で「受賞は、過去のもの。未来に向かって・・・・」と語られた。今後の目標の一つに「パーキンソン病の臨床応用を開始し、5年以内をめざし・・・」と掲げられているが、「京大と東北大とどちらが将来の治療法として有望か・・・」と毎日新聞朝刊に掲載された。

 毎日新聞より(2012-12-4)
“難病治療に光”“骨髄中の幹細胞で改善”“東北大学など神経細胞作りサル実験”
パーキンソン病(この病気は情報伝達物質を分泌する神経細胞が減り、手足が不自由になる進行性の難病)「東北大の出澤真理教授(細胞組織学)らは、パーキンソン病のサルより骨髄細胞を採取し・・・移植実験を行ったところ、・・・サルが手で餌をとる能力がいずれも改善したという。」この病気にたいして、京大のグループも、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療を目指している。どちらが将来の治療として有望かについて、両方の研究に関わる理研の林拓也さんは「現時点では判断できない」と話す。

山中教授のお名前は、世界中に知れわたっているが、出澤教授の業績については、医学会は別として一般の人々にはあまり知られていないのではないかと思う。

i PS細胞という文字が、マスコミに取り上げられたのは、56年前かと思う。
そのころ、出澤真理教授(東北大学)は、京大で助教授として再生医療の研究をされていた。
約3年前であろうか、朝のニュース(NHK)で「再生医療」について、バレーボールに例えた漫画によりわかりやすく時間をかけ解説された。
アメリカの教授?(ES細胞)がレシーブして上げたボールを山中伸弥教授(iPS細胞)がトスし、鉢巻をした出澤真理教授(Muse細胞)がアタックする姿であったことを鮮明に覚えている。その時の私の記憶が間違いなければ、解説者は「ES細胞は、受精卵から採取するので倫理面で問題がある。iPS細胞は、応用範囲が広いけれど癌になりやすい・・・、Muse細胞(2010.4.19 記者発表)は応用範囲が限定されるが安心である・・・。」と述べられていた。

 このニュースが流れる数年前であろうか、私は大阪で出澤真理先生とお会いする機会に恵まれた。
大変上品なお方で、研究室でも後輩の面倒見が大変良いと漏れ聞いていた。
(週末には関東の御自宅にかえられ、いわゆる単身赴任の生活が何年も続いたとのことである。子供さんのことを考えられてのことと思うが、某大学の教授である御主人のご理解にも敬服する。)
東日本大震災で研究室も大変だったようにお聞きしている。その中でも研究を重ねられ、12月4日付米医学誌電子版に論文を掲載された。一日も早くパーキンソン病の患者さんに光を当てていただきたいものである。

―医療の進歩とそれを取り巻く環境―

*山中教授は、ノーベル賞受賞の謝辞で高橋和利講師(35)、一阪朋子技術員(38)、徳澤佳美・埼玉医科大ゲノム医学研究センター特任研究員(36)らの名前を挙げて「彼らの努力なしには成し遂げられなかった」と報道されている。

山中教授が受賞の為、128日大阪国際会議場での戸口田淳也教授の代理講演(山名教授の約10分位のビデオ・メッ―セージの後)の最後に、「いつも、山中教授から講演の最後に皆様にお願いするように言われております。この基金にご協力を」で締めくくられた。
そして、民間企業からの多くの基金を得ていることも報告された。

その講演で、「ジョン・ガードン博士(共同受賞者)がいなかったら、私の研究も、iPS細胞も、そしてノーベル賞もなかったと思う」とも述べられていた。

*テレビ・毎日放送(大阪)“夢の扉”(日曜日・午後6時)で「医学の進歩の一つに“重粒子線がん治療”がある」が取り上げられた。

中野隆史・群馬大教授は 国に対する補助金申請の際に「京大、東大ならいざしらず、群馬大では・・・。」となかなか理解してもらえず、認可されないことに興奮のあまり「失敗したら、腹を切ります。」というと、国の担当役人が「許可した私も腹を切らねばならない・・・」と答え最終的に100億の予算獲得に足掛け6年かかったとのことである。
又、中野教授もやはり「人の輪の大切さ」を強調されていた。

これら山中教授、出澤教授、中野教授らのことを見たり聞いたりするにつけ、改めて「運と努力」はもちろんのこと「人との出会い」「チームワーク」がいかに大切かということを益々実感させられるのは、私一人だけではないであろう。

 

 昨年末には政権も変わり、否定的な話題から明るい話題に代わりつつある。

恒例である元旦の生駒聖天さんへお参りし、その明るさが本当の明るさになってくれることをお願いしてきた。

 本年が明るい年になりますように!!

              平成25年 元旦

              Y.YOSHIHARA

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初日の出(屋上より)初詣(奈良・生駒聖天さん)

 PS 1-最新高額医療保険も出てきている今日この頃である。
元気で長生きし、経済に効果ある買い物をすればいいのであるが、医学が進歩し、再生医療で寿命が延び、福祉、健康保険、年金問題の関連報道を見聞きするにつけ、何とも言えない難しい問題が山積みされている。
「医療の進歩とそれを取り巻く環境」切っても切れない関係は、深刻な問題でもある。

 PS 2-テレビ・毎日放送(大阪)“夢の扉”(日曜日・午後6時)で「医学の進歩の一つに“重粒子線がん治療”がある」が取り上げられた。

“無痛、無傷、最先端がん治療”メスを入れることなく、30分位数回の照射
“究極の科学技術”と言われ、群馬大学医学部・中野隆史教授(58歳)が、群馬大学に「重粒子線医学センター」設立までの秘話や、これからもオープンにして行くことが語られている。
サッカー場くらいの敷地と約300億円かかるといわれたが、電機メーカーと共同開発により、敷地、費用を3分の1で出来るプランを考えだし、足掛け6年かけて厚労省の認可にこぎつけたとのことである。
「京大、東大でなく、なぜ群馬大学がやらねばならないのか?」「100億以上かけて失敗したらどうして責任を取るのか?」等と厳しい押し問答しながら6年であったと回顧されていた。

 “重粒子線がん治療”は、その治療部分にのみに照射するので、皮膚や周りの内臓をいためないし、体の内面にできた癌にも効果があり、従来のX線治療に比べ多くの利点があるとのことである。
その後、「中野は、立ち止まらない。新たな“ミクロビーム”に挑戦・・・。」と。さらに1ミリ以下の粒子線で患部をなぞるように動かし、精度を高める治療法だそうである。(現在は、患部全体を一度に照射しているようである)
中野教授のその思いの治療法を受け継がれたセンターが、本年5月九州の佐賀県でオープンする。産官学共同のいい面の表れである。

その道の権威ある方が、これから外科医の仕事も大幅に減るんじゃないかとも述べられていた。

 最後に、教授の娘さんは、国立大学医学部4年生で父への思いを「みんなにやさしく、人の心を温かくできる人柄であることを自慢できる・・・」「10年後、20年後のその時も、その姿を追い続けられる父の背中であってほしい。」と締めくくられた。

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 今月のことば 松下幸之助著「道をひらく」より 

「道」

 自分には自分に与えられた道がある。
 ・・・自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。

広い時も狭い時もある。
 のぼりも、くだりもある。

坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗するときもある。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、
 道は少しも開けない。

道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。
 心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

それがたとえ遠い道のように思えても、
 休まず歩む姿からは必ず新たな道が開ける。
 深い喜びも生まれてくる。

           松下幸之助著「道をひらく」より

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コメント

新年明けましておめでとうございます!!

医療の話題は私には難しすぎて分かりませんが…
人との繋がりは大切だなと最近つくづく思います。

投稿: S.MORI | 2013年1月 1日 (火) 20時37分

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